新聞掲載記事平成29年3月

建設業許可の種類について

当社は前橋市内にて主に住宅メーカーの下請で内装業を営んでおります。現在、内装仕上工事業の建設業許可の取得を検討しております。建設業の許可には種類があると聞きました。許可の種類によって、工事を施工する場所や、請負金額に制限があるのでしょうか。

建設業許可の種類には、知事許可と大臣許可、そして、一般建設業と特定建設業という区分があります。建設業の会社案内等で、知事許可(般-28)第123号や大臣許可(特-28)第123号という許可番号を目にするかと思います。これは、建設業の種類と区分を表しています。

まず、知事許可と大臣許可の違いについて説明します。1つの都道府県だけに営業所を置く場合は知事許可、2つ以上の都道府県に営業所を置く場合は大臣許可が必要になります。例えば、群馬県内に本店(営業所)が1つの場合や、群馬県内に営業所が複数箇所かある場合には群馬県知事許可が必要になります。また、群馬県内の本店と東京に営業所を設ける場合は、大臣許可が必要になります。工事の施工地域は、どちらの許可であっても、全国どこでも施工することができます。

次に、一般建設業と特定建設業の区分について説明します。基本的には、どちらの区分であっても請負金額には制限はありません。異なるのは、注文者より直接工事を請け負った元請工事1件について、下請に発注できる代金の合計金額です。元請として請け負った工事1件について、下請に出す工事の総額が4000万円以上(建築一式工事は6000万円以上)となる場合に特定建設業許可が必要となります。下請に出す総額は、複数の下請業者に出す場合には合計金額により判断し、その金額には消費税も含まれます。特定建設業許可は、一般建設業許可に比べ、技術者、財務内容等において厳しい要件が求められています。その背景には、規模の大きい工事では、自社ですべて施工を行うことは困難となり、下請業者に発注することが想定されるために、元請が、下請業者の保護や工事の適正さを監理する必要がある、という意図が含まれています。すべて自社施工で工事を行う場合や、下請に出すとしても、小規模で4000万円未満の場合には特定建設業許可は必要ありません。

特定建設業許可が必要になるのは、元請工事のみで、例えば、貴社が元請ではなく、1次下請業者として工事を請負、さらに2次下請業者に4000万円以上の工事を請け負わせる場合には、特定建設業許可は必要ないということになります。

みくに労務管理事務所 児玉いずみ

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