新聞掲載記事平成31年2月

国民年金第1号被保険者の産前産後期間保険料免除

Q. 私は、夫と二人で自営業をしています。現在、妊娠中で5月出産予定です。出産時に国民年金保険料が免除になる制度が始まると聞きましたがどのような制度でしょうか。

A. 平成31年4月より、第1号被保険者の方を対象に、産前産後期間の国民年金保険料を免除する制度が始まります。

まず、国民年金の制度について説明します。日本国内に住む20歳以上60歳未満の方は、国民年金への加入が義務づけられています。国民年金には職業などにより3つの種別に分かれ、保険料の納め方が異なります。① 第1号被保険者は自営業者、農林漁業者、学生、無職の方等が対象で保険料は各自が納付します。② 第2号被保険者は、会社員、公務員等厚生年金の適用事業所に勤務する方で、給与から厚生年金保険料を支払うことにより自動的に国民年金にも加入することになります。③ 第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者の方で、国民年金保険料は配偶者が加入する年金制度が一括負担するため、各自で国民年金保険料を支払う必要はありません。

すでに平成26年より、第2号被保険者の方は産前産後期間について厚生年金保険料を免除する制度があります。今回は、各自で国民年金保険料を納付している第1号被保険者の方を対象に、国民年金保険料の免除制度が始まります。この制度は、出産予定日の前月から4か月間を産前産後期間とし、この間の保険料が免除されます。なお多胎妊娠の場合は出産予定日の3か月前から出産予定月の翌々月までの6か月間の保険料が免除されます。

対象となる方は、出産日が平成31年2月1日以降の方です。ただし、法律の施行が平成31年4月のため、2月に出産した場合は4月分の保険料のみが免除されます。あなたの場合は、出産予定日が5月ですので、出産前に申請する場合は予定日前月の4月から7月までの4か月分が免除されます。届出は出産後でも可能ですが、その場合は実際の出産日を基準とし出産日前月から4か月分が免除されます。

出産前の申請は、住所登録をしている市区町村役場へ出産予定日がわかる母子手帳等を持参して行って下さい。出産後の届出の場合は、出産日が市区町村で確認できるため母子手帳等は原則不要です。法律が施行された平成31年4月以降は、予定日の6か月前より申請することができます。すでに、前納制度を利用し保険料を先に支払っている場合、免除申請をすることにより保険料が還付されます。

この産前産後免除期間は、将来年金額を計算する際に保険料を納めた期間として扱われます。自動的には適用されませんので、該当する場合は制度が始まる4月以降忘れずに申請をして下さい。

みくに労務管理事務所 児玉いずみ

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