新聞掲載記事平成25年3月

年金確保支援法について

Q. 障害年金をもらえなかった方が、平成23年8月に施行された「年金確保支援法」の3号特例により、もらえるようになったケースがあると伺つたのですが詳しく教えてください。

第3号被保険者制度は昭和61年4月に開始されました。当初は本人の届出制だったため、届出漏れにより、第3号被保険者に該当するにもかかわらず第1号被保険者未納期間のままの記録の方も多く、受給資格期間不足で年金が受給できない方も多くいらっしゃいました。そこで「3号特例届」が施行されました。この届出を提出することで、未納扱いだった期間が納付済期間として老齢基礎年金に反映されることとなりました。ただし、この訂正された「第3号特例納付」期間は「届出後」の納付済期間と見做されます。

第3号被保険者の届出は、平成14年4月以降は事業主経由となりましたが、第2号被保険者が第1号被保険者になった場合や、第3号被保険者が第1号被保険者になった場合等は、本人が種別変更届を提出しなければなりません。
そこで、第3号被保険者で登録されていた期間の途中に、本人の第2号被保険者期間が見つかったり、夫の転職により夫の第2号被保険者期間が途絶えたり、第3号被保険者期間の訂正をしなければならない方も多数いらっしゃいました。この場合も、本人が「種別変更届」を提出し、「3号特例届」を提出することで、それ以後の期間が引き続き「第3号特例納付」期間となり、老齢基礎年金に反映されることとなりました。やはり「届出後」の納付済期間と見做されます。

しかし、「3号特例届」よる「第3号特例納付」期間にかかって、障害年金の初診日納付要件を問われる方の場合、この期間が「3号届出後の」納付済期間とみなされますから、「初診日の前日における」納付要件では納付済み期間とは見做されず、障害不該当とされた方もありました。

そこで、平成23年8月に「年金確保支援法」3号特例が施行されました。当初の「3号特例届」提出の場合は、元々の記録は第1号被保険者未納期間でした。でも記録が第3号被保険者期間だった方の「3号特例届」は、特別便等の記録等でも第3号被保険者期間として、長く取り扱われた経緯があります。このような方の届出による「第3号特例納付」期間については、「当初から3号だった期間」と見做されることとされました。つまり当初から「納付済期間」ですから、障害年金の納付要件でも、納付済み期間とは見做されなかった期間が「納付済期間」になることで、納付要件を満たす方も出てきました。「年金確保支援法」の3号特例が施行されたことで障害年金をもらえなかった方がもらえるケースもありますので、再度社会保険労務士や年金事務所に相談することをお勧め致します。

みくに労務管理事務所

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