新聞掲載記事平成28年9月
ねんきん定期便について
Q.厚生年金加入中の会社員で、今月50歳の誕生日を迎え、今年も「ねんきん定期便」というハガキが送付されてきました。昨年送付された定期便の年金額と大きく異なりますがなぜでしょうか。
「ねんきん定期便」は、国民年金及び厚生年金に加入している皆様に、年金加入記録を確認いただくとともに、年金制度に対する理解を深めていただくことを目的として、平成21年4月から毎年誕生月に、年金加入期間や老齢年金の見込額などに関する情報が送付されるようになりました。
ねんきん定期便のハガキには、年金加入期間、年金見込額、これまでの保険料納付額、直近1年間の年金加入記録が記載されています。実は、ねんきん定期便の年金見込額の記載には①50歳までの方②50歳以上の方③年金を受給しながら現役で保険料を掛けている方というように、3種類の異なる方法がとられています。50歳未満の方には、定期便作成時点での加入実績に応じた年金額が記載されています。一方、50歳以上の方は、受給資格期間を満たしている場合、定期便を作成した時点での年金加入状況がそのまま60歳まで続くと仮定した場合に将来受け取る見込額が記載されています。この点で、今回の定期便の年金額が昨年のものと大きく異なった原因と考えられます。
また、ねんきん定期便は通常ハガキで届きますが、節目年齢とされている35歳、45歳、59歳の時には、大きな水色の封筒で届きます。節目年齢時にはハガキで送付される情報に加え、年金加入履歴、すべての期間の厚生年金の標準報酬月額・国民年金の納付状況がより詳細に記載されています。年金加入履歴では、ご自身の記録にもれや誤りがないかしっかりと確認することが重要です。老齢年金を受給するには、年金制度への300月(25年)以上の加入期間が必要です。(平成29年4月より消費税が10%へ増税されるとともに、120月に短縮される予定でしたが、現在延期になっています。)50歳以上の方で、ねんきん定期便に年金見込額が載っていない方は、早めに受給資格期間の確認を年金事務所にてご相談ください。
ねんきん定期便の内容は、毎年更新されます。特に50歳以上の方の年金見込額は、あくまでも「現在の状況が続く」という仮定に基づいていますので、給料の金額が変わったり、仕事を退職されたりするなど、その仮定が変わる場合には年金額も変わってきます。ねんきん定期便には、毎年目を通していただき、老後の生活設計に活用していただければと思います。
みくに労務管理事務所 社会保険労務士 児玉いずみ
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