新聞掲載記事平成30年2月

iDeCoについて

最近、iDeCoとうい言葉をよく耳にしますが、どのような制度なのでしょうか。また、iDeCoのメリットやデメリットを教えて下さい。

iDeCoとは、個人型確定拠出年金、つまり私的年金制度のことです。iDeCoに加入する場合は取扱いのある金融機関を1つ選び、申込から掛金の拠出、運用する金融商品の方法の選定を自ら行い、積立てた掛金と運用益の合計をもとに給付を受けることができます。

加入できるのは、原則的には20歳から60歳までの方です。会社員や自営業者、専業主婦など職種にかかわらず加入できることが特徴です。ただし、国民年金の1号被保険者で保険料の免除を受けている方など加入資格のない方もいるので、金融機関に相談してください。掛金は月々5千円以上、千円単位で設定できますが、上限が1万2千円~6万8千円までと決められていて、上限は加入している年金制度により異なります。掛金の変更は公的年金の種別変更時を除き、年1回することができます。

給付の種類は3種類あり、「老齢給付金」「障害給付金」「死亡一時金」です。「老齢給付金」は、5年から20年の間の有期年金または、一時金として受取りになり、60歳から70歳までの間に請求します。注意が必要なのは、70歳になっても請求しないと全額一時金としての受給になることです。

それではiDeCoの主なメリットとデメリットをみていきましょう。

まずは、メリットですが、税制優遇が充実しているところです。第一に、収入のある場合、掛金の全額が所得控除されることが挙げられます。年末調整や確定申告などで手続きは必要ですが、掛金に応じて所得税が還付され、住民税も安くなります。第二に、受給の際も大きな控除があることです。年金で受け取った場合は公的年金等控除、一時金の場合は退職所得控除を受けることがき、所得税を安くすることができます。第三に、掛金で購入した金融商品の運用益も非課税になることです。通常は運用益のおよそ20%の税金がかかりますが、iDeCoの場合は非課税で再投資されます。

それに対して、デメリットは主に3つあります。まずは、掛金は基本的には60歳になるまで引き出すことができません。そのため、無理のない範囲で掛金にすることが大切です。2つ目のデメリットとしては、運用リスクがあり、金融商品によっては元本を下回る可能性があることです。つまり自分で選択した資産運用次第で、受取る金額が減る場合もあります。3つ目のデメリットとしては、加入時、毎月の掛金の納付時、将来の受給する時など、それぞれ手数料がかかることが挙げられます。定額で決まっている手数料もありますが、金融機関によって異なる手数料もあります。

以上、iDeCoについて主な説明をしましたが、加入の際は公的年金と違い、申込から受給までをすべて自ら行うので、メリット、デメリットをよく理解することがとても大切です。

みくに労務管理事務所 須田めぐみ

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